おせんの江戸日誌

江戸と平成の世を行きつ戻りつの書き散らし

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
trackback: -- | comment: -- | edit

おやぢ 


両国で昔から人気の第一番といえば熊の見世物ですが小屋はムシロがけの粗末なもの。
ゆえに雨の日は熊も人も濡れるので興行は休みとなります。

そこの木戸番のオヤジが大病を患い明日をも知れぬ身となったのですが

   「熊じゃ 熊じゃ」

うわごとに言うのは熊のことばかり。
もう今際(いまわ)の際(きわ)だというのに、と不憫に思った女房が念仏をすすめても
近所の者どもがさまざまにすすめても、ただただ「熊じゃ 熊じゃ」と言うばかり。

そのうち一人の知恵者が「おかみさん、ワシが御念仏を申させてみましょう」と言い出て

   「これ、オヤジ。明日は雨になるらしい」

すればオヤジが

   「なむあみだぶつ」

     熊画
にほんブログ村 小説ブログ 掌編小説へ                                      
thread: 花の御江戸のこぼれ話 | janre: 小説・文学 |  trackback: -- | comment: 0 | edit

コメント

コメントの投稿

Secret

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。