おせんの江戸日誌

江戸と平成の世を行きつ戻りつの書き散らし

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
trackback: -- | comment: -- | edit

振る舞い酒 

戸をがらりと開け、トットットとつんのめるように入ってきた参八が、上がりかまちに手をつき

   「アデ、アデ、アデサン! い いや違った姐さんだ! トッ、トッ、ト.ト.とく.....」
   「何だい 騒々しい」

血相変えた参八の形相のあまりのもの凄さに、徳の市が辻斬りにでもあったかと思ったら

   「あの、あの、あの そこの鶴田屋さんで、店先に酒樽たっくさん並べて、ですネ
    前を通る人に下り酒を、ただで配ってネ こりゃ得な話で・・・ウググ ムグゥ。。。」

ただと聞き反射的に「なんだってッ」と参八の襟首引っ掴んだものですから奴め、失神しかかりました。
そこで急いでホッペタ叩いて問いただし、ようやく詳しいことが分りました。

娘の菊乃ちゃんが芸者を辞めて帰ってきたというので鶴田屋さんは大喜びで、店先にいくつも酒樽を並べ、
道行く人たちに「どうぞどうぞ」と大盤振る舞いして、もちろん、ただなんですから随分お得

   「そのうえ、下戸の者には紅白饅頭を配っているのだとか ...... アレ? 姐さんどこへ」

   「フフッ 知れたことサ。」

何を隠そう、饅頭も御酒もアタシの大好物。これを見逃すわけにはいきませんから、やっぱり。
                  春の女
にほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へ
thread: ショート・ストーリー | janre: 小説・文学 |  trackback: -- | comment: 0 | edit

コメント

コメントの投稿

Secret

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。