おせんの江戸日誌

江戸と平成の世を行きつ戻りつの書き散らし

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おっかさん 

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そぞろ屋は母親のお勝と中年の息子夫婦の三人だけでやっている小さな店だが客の入りはいい。
元々お勝の両親が細々とやっていた頃は屋台に毛の生えたような蕎麦屋だった。
それを客が六人ほどは入れるよう大きくできたのは婿に入った源助、つまりお勝の亭主の腕のおかげなのである。
蕎麦職人の源助が打った蕎麦は大したものだったが、何と言っても このあたりではまだ珍しかった天ぷら蕎麦を
いち早く取り入れたのが大きかった。ま、天ぷらといってもかき揚げではあるが .....

その源助が亡くなってからは息子寅二の腕前が、客たちに『オヤジの味そのままだ』と喜ばれている。
が、今のそぞろ屋の常連客に安くてうまい蕎麦をゆっくり味わう者はいない。熱々の天ぷらも、蕎麦も、そして
汁さえも大急ぎで腹へ流しこみ、勘定を済ませる。
そして皆が皆、追い立てられるようにして帰ってゆくのは一体どうしてなのか。

その理由(わけ)はお勝にある。
お勝は、もはやいっぱしの蕎麦職人となった息子の寅二も、その嫁のおふでも気にくわない。お勝にしてみれば
寅二はまだまだ未熟、おふでは『全部がなっちゃいないし』で、小言を言う、叱る、怒鳴るということになる。
客がいようがいまいが関係なしのお勝の怒鳴り声とうまい蕎麦を天秤にかけたら、蕎麦が勝つ!わけで客は来る。
来るが、お勝のいつ始まりいつ終わるともしれない説教や怒鳴り声を聞くのが嫌さに皆そそくさと帰るのである。

母親の説教したい気も分るが『ちょっと度が過ぎている』と思うし、女房おふでのやつれようが気にかかる。
それに、この頃では少し客足が落ちてきているような気がして、これまた心配でならない寅二なのである。
                    蕎麦
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thread: 花の御江戸のこぼれ話 | janre: 小説・文学 |  trackback: -- | comment: 2 | edit

コメント

揺れましたか

地震があったようですね。平成に戻っているのでしたら、揺れましたか。大丈夫でしたか。棚から物等落ちていたら大変ですね。

「そぞろ屋」は現代風に言うと、客足さえ落ちなければ「大変回転率の良い店」という事になりますね(現代だと、わざと座りにくい椅子にしたりするようです)。

千鳥道行 #EBUSheBA | URL | 2013/04/13 07:43 * edit *

揺れましたヨ 千鳥の旦那

お見舞いありがとうございます。
ちょうど平成に戻ったばかりの『朝いちコーヒー』を飲んでる時に『ウッソオ v-12』・・・
でもひどくならなかったので、つつがなくコーヒー飲み終えることができました。

毎年三月末日から十月上旬までの期間、平成での稼業(注:掏摸じゃない!)が超忙しくなるので
平日フラフラ、休日うつらうつら .... 日誌付けが中々。
ブログ掛持ちやってた頃があったとは『とても思えぬ』回転率の悪い(?)おせんです。

おせん #- | URL | 2013/04/13 08:59 * edit *

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