おせんの江戸日誌

江戸と平成の世を行きつ戻りつの書き散らし

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できそこない 


同じ長屋に住んでいる飛脚の双助が、田舎土産ですがと『うどん粉』を持ってきました。
うどん粉、時代が下ればメリケン粉、もっと下ると小麦粉とかいうアレでございます。
双助は栗橋村の出で、村は日光街道は江戸・日本橋から数えて7番目の宿場近くと聞きました。
ま、それはともかく、長屋住まいにはうどん粉なぞ縁のない代物ですから、アタシも困りはてました。
するとそこに飛び込んできたのが亀吉と留助の駕篭かき二人組。で、決まりました。うどん粉の使い道。
なにしろ釣り好きな二人が持ち込んだのが、釣ったばかりの立派な太刀魚四匹だったからです。
刺身にすれば旨かろうが、腕は無し!のアタシでも魚を三枚におろすくらいはできるんですヨ。ホント。

身は三等分か四等分くらいにぶつ切りしたら、おろしやすいでしょうねぇ。
醤油に、にんにく一片としょうが一片すりおろしたのを入れ、おろして大きめ短冊に切った魚を入れる。
入れた魚に醤油だれを軽く揉みこみ、しばらく置いたのちに『うどん粉』をまぶして揚げるわけです。
つまりは、白身魚の唐揚げとでも申しましょうか。

図々しくも、いつのまにかちゃっかり上がりこんで漬け物で酒を飲んでいた亀吉留助のふたりが、口々に

   「匂いは旨そうだけど ・・・ 」 「 見た目は天ぷらのできそこないのような .... 」

などと言ってたくせして、いざとなると夢中で箸を動かし、好きな酒を飲むのも忘れた様子。
しまいには天日干ししていた中骨部分まで揚げる羽目になったのですから かないません。
もちろん揚るとすぐに双助と波池の旦那には届けましたし、アタシの分は隠してあります。でもねえ ....
干した中骨を揚げて塩をパラリと振れば、おいしい骨せんべいになったのですから残念なことをしました。
                 太刀魚
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thread: 花の御江戸のこぼれ話 | janre: 小説・文学 |  trackback: -- | comment: 2 | edit

コメント

やぁ、これは美味しそう

亀吉留助の面々がうらやましいかぎりです。私もおせんさんの料理をいつか食べてみたい。
太刀魚は今でも東京湾で獲れているようです。

最近は忙しく疲れてもしまっているので、なかなかコメントが書けませんが、毎回楽しみに読んでいます。

千鳥道行 #EBUSheBA | URL | 2013/10/13 00:18 * edit *

これは美味かった!

アタシも小料理屋のおかみになれるんじゃないか!?
そう思ったくらい上手においしくできた太刀魚の唐揚げ。
鶏の唐揚げや豚のフリッターなどの肉々しさがまったく無いのは当然ながら
白身魚のあっさり素直な淡白感と油の相性には文句の言いようもないくらい。
生姜とにんにくの下味も良い働きをしてくれました。
> 最近は忙しく疲れてもしまっている
という千鳥の旦那がこれを召し上がれるよう腕をみがいておきます。
ところで小料理屋の名は、花の里にでもしときましょうか 。。。

おせん #- | URL | 2013/10/13 07:28 * edit *

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