おせんの江戸日誌

江戸と平成の世を行きつ戻りつの書き散らし

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いけいけ一笑連 


鶴田屋が参加し始めた頃の『自作:面白話』の会は、まだ出来て日も浅かった。
名称は誰が言うともなく『一笑連』というものに落ち着いてはいたけれど。

集まりは不定期で、自作の滑稽話を順に口演し合い腹を抱えてひとしきり笑ったあとは、作った本人の
気分を害さないよう気を使いながらおずおずと批評をする、といった具合だった。
それがここへ来て俄然変わってきた。笑いに積極的あるいは貪欲になってきたと言うべきかもしれない。
なまぬるい雰囲気に飽き足らなくなったのか、まず三千石の旗本である青木甚太夫が口火を切った。

 「せっかくの同好の士の集まりじゃ。芸(滑稽話創作)を磨くに遠慮なぞ要らぬ。互いに切磋琢磨し
  一笑連の内々はもちろん、世に出しても大笑いされるようなものを作りたいものじゃ」

青木の言葉に連衆のほとんどが賛成したのは常々同じ気持ちを抱いていたからに他ならない。
この一笑連の顔ぶれは大名こそいないが中・下級の武家が中心で、残りを上・中流の町人が占めている。
上や中の町人は大店の主人などで、毛色の変わったところでは湯屋の親爺や印判師、指物師などもいる。

結果、連衆の意見は一致し核心をついた批評講評は多いに奨励となったわけだが、オマケも付いてきた。
作者の口演についてである。自作の口演といっても人によって上手下手がある。上手い者はいいのだが
下手な者にかかると、いくら面白い話でも聞く者にとっては笑うどころかアクビさえ出かねないのだ。
そういった下手な者には代演の者を用意しても良い、というのがオマケである。
商売以外の場で人前で話すのは大の苦手、そのうえ話下手でもある鶴田屋嘉兵衛は喜んだ。
代演というオマケが本決まりになった瞬間、嘉兵衛の頭の中に、幇間の参八が招き猫の様な手つきをして
オイデオイデをしているのがハッキリ見えた、らしい .......
                   家
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コメント

内面

書き込むのはお久しぶりです(ポチッと押すのはほぼ毎日でした(^_^)。
着実にお話を書かれていて、おせんさんすごいですね。

「おせん殺し」の中の参八さんは、なにやら実存的な苦悩を見せる哲人的風貌の人物のようでした。
鶴田屋さんといい参八さんといい、なかなか内面は複雑なのかも知れません。

千鳥道行 #EBUSheBA | URL | 2013/11/10 18:14 * edit *

千鳥さん お久しぶり

旦那に誉められはしたけれど、ご覧のとおり
ちょっとあたしもサボリが入っちゃってお恥ずかしい。
そろそろ腰をあげないと根が生えそう ...
  体もすっかり肥えちゃったし。

鯉口のおせん #- | URL | 2013/11/23 09:38 * edit *

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