おせんの江戸日誌

江戸と平成の世を行きつ戻りつの書き散らし

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わがまま花魁 


明け六ツに客を見送ったあと、ちょいと寝たいのに何故か眠れない吉原は大上総屋の笹尾。
それで若い者景吉に幇間の参八を呼びに行かせることにしました。
眠れないのなら、いっそ参八のおしゃべりで暇つぶししたほうがまし、という思惑だったのです。
ところが参八は現れず、景吉が大汗かいて帰ってきただけなのは笹尾にとって予想外の展開でした。

 「参八さん、洒落のめした格好で出かけたらしいんで ... 行った先は女の所じゃないですかねえ」

言ったとたん、知りもしないことをうかつに喋っちまった ....景吉は後悔しましたが時すでに遅し。
可愛がっている猫の黒丸、その肉球をプニプニと押して遊んでいた笹尾でしたが、それを聞いたとたん、
その美しく白い顔のこめかみあたりに青筋が太く浮かび上がり、見る間にヒクヒクし始めました。
黒丸は飼い主の気配をすぐに察したらしく、アッと言う間に廊下へ走り出てゆき、逃げ遅れた景吉は
廊下で思わず尻を浮かせ 後じさりし始めています。

吉原でも三本の指に入るという美女中の美女笹尾、その美貌と教養の影に隠れた嫉妬深さとねちっこさを
大上総屋で働く者なら誰しもが知っているし酷い目にあっているからなのです。

もちろん笹尾にとって参八は呼べば飛んでくる便利な男、別に惚れているわけではありません。
ほいほいと飛んで来るべき男が来なかった、だからこそ笹尾の自尊心が傷ついたのです。

哀れむべきは笹尾に参八のきょうの行き先と日頃の素行を調べるよう命じられた景吉。
泣く子も黙る遣り手婆さえ一目おく怖い花魁に逆らえるわけが無いのです。
が、果たして花魁笹尾の満足を引き出せるのか景吉 .....
                  赤い実
                   
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