おせんの江戸日誌

江戸と平成の世を行きつ戻りつの書き散らし

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戸板組 


洗い髪の若い女が仕事帰りの伝蔵を追い越して行ったあと、湯上がりのいい匂いが残った。
前を行く女の白っぽい着物を夕日が茜色に染めあげ、乾きかけの黒髪は風にふわりと流れている。

 「 ムフ いい臀(しり)してるじゃないか ..... 」

伝蔵がその女に続いて媛垣神社の鳥居をくぐったのは、別に女の臀に惹かれたからではない。
湯屋帰りの足で、しかもよりによって逢魔が刻などに神社参りというのが腑に落ちなかったからなのだ。
しかし、伝蔵はしくじった。不審は不審のまま、ましてや好奇心など捨て置けば良かったのである。
女は妖縛師のタマキ。この世にさまよう霊魂や妖怪を回収し、しかるべき供養をするのを生業としている。
神社の森深くまでタマキを追った伝蔵は、彼女と妖怪の魂も凍りつくような戦いを目撃してしまった。

    ギッエーッ!

絶叫で外れた顎、股から足にしとどに流れ落ちる尿(ゆばり).....
腰が崩れへたりこんだ伝蔵、それでもなんとか神社の外まで這い出ることができた。
それを迎えたのがパッチ腹掛け姿のゴツイ男四人組。すでに戸板を用意している心得の良さ。

彼らは近頃江戸で噂の新商売、その名も戸板組。何かに驚き怯え腰を抜かした人を運ぶのが商売なのである。
妖怪退治組合との連携はもちろん、夏本番を控え有名な幽霊の出場所は既に幾つか抑えているのだとか .....
                 伝蔵 小
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コメント

久しぶりの

伝蔵さんの腰抜かし、久しぶりです。もはや彼のお家芸と言っても良いでしょう(伝蔵さんには悪いですが)。

それにしても「戸板組」とは。伝蔵さんなぞ、さぞや「上得意」となる事でしょう。

千鳥道行 #EBUSheBA | URL | 2014/06/11 00:49 * edit *

ひょっとすると

ひょっとすると『戸板組』のまる秘顧客リストに載るかもしれませんね、伝蔵。
でも十二分に腰を抜かしてから戸板に乗るのが、読む方としては楽しめそうです。。。
ガンバレ(!?)伝蔵。

鯉口のおせん #- | URL | 2014/06/21 05:30 * edit *

ブログを拝見しました

こんにちは。
スペースお借り致します。

お友達がたくさん出来て、投稿に参加する度ごとに直筆のカード式のファンレターが3~30枚以上届く文芸サークル(投稿雑誌)をやっています。
ネットでのやりとりも楽しいですが、ぬくもりが伝わるアナログでの活動は温かい気持ちになり、楽しさや幸せをより感じられます。
イラスト・詩・漫画・小説・エッセイなどジャンルを問わず何でも掲載しています。
月刊で150ページくらい。全国に約180人の会員さんがいます。
あなたがブログで発表している作品を雑誌に掲載してみませんか?
東京都内で集会も行っています。お友達や創作仲間作りにご活用下さい。

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よろしかったらホームページだけでもご覧になって下さい。
ホームページにある申込フォームから簡単に最新号をご請求出来ます。
http://hp43.0zero.jp/1072/hapine/

これからもブログの運営頑張って下さい。
失礼致しました。

つねさん #- | URL | 2014/06/28 12:22 * edit *

つねさん ありがとうございます。

>つねさんこんにちは。お返事遅れて申し訳ありません。
 そしてお誘いありがとうございます。
 けれど
 今はこのブログで手いっぱいでご紹介の投稿雑誌まで手が回りそうにありません。
 紙媒体にはとても(強烈なくらい)関心があるのですが、何かをひとつを選べば
 何かひとつを捨てなければならない、自分の不器用さがうらめしい .....

 つねさんの御活躍お祈りいたします。

鯉口のおせん #- | URL | 2014/07/08 04:43 * edit *

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