おせんの江戸日誌

江戸と平成の世を行きつ戻りつの書き散らし

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酒乱組 よきこときく 


鯉料理を振る舞ってもらえるというので材木商である左兵衛さんの寮まで出向いたおせん一行。
招き入れられた客間には商売柄か左兵衛さんの御先祖様が使っていたという斧(ヨキ)が飾ってあった。
待望の宴が始まると、酒も鯉料理も次々に尽きることなく運ばれてくる。
鯉のあらいに鯉こくや塩焼き、ウロコのパリパリ揚げ、まさに鯉尽くしで酒は灘の下り酒。

 「これは小梅の青沼でとれる鯉なんですが泥臭くないのが特徴なので .... 云々 ..... 」

が、左兵衛の説明など うわのそらの面々、舌鼓を打ち喉を鳴らしギャハハと笑いが止まらない。
そのうち左兵衛の娘珠代が下手な琴(コト)を弾き始めたのがきっかけとなり、参八が口を突き出し
タコ踊り。波池浪人はといえば居合いで障子を次々にスパッと斜め切断の狼藉。
若侍の静馬は片肌脱ぎのおせんに手を握られるのに閉口し、ついに庭に逃げた。
早々に酔っぱらって庭に這い出た供の猿三を探すという口実である。
しかし夕暮れの庭に菊(キク)の香りがするばかりで人のいる気配はない。

 「 サッ サルゾーたんは いまちたか 〜 レロレロ 。。。

静馬のあとを追って庭に下りたおせんは完全に酔いがまわっており、千鳥足である。
そのおせんが、石像と化したかの如く棒立ち状態の静馬の視線の先を見、アッと声をあげた。

 飲み過ぎちゃってバカだよ。 けど、よっぽど水が飲みたかったんだねぇ ......
 
けれど、まだ間に合う。猿三の爪先がピクピク動いているからネ。

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                         湖から足
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コメント

U^ェ^U

 フラフラとした奇妙な足取りの音をタロが聞いたのは夜半過ぎでした。気になったタロはガリガリと戸を引っ搔き、心張り棒を外すと鼻先でグイと戸を開け、通りに出て見ました。
 ゆらゆらと一人の人物がこちらに向かってきます。月は生憎と雲間に隠れていましたが、タロには関係ありません。鼻ではっきりと判るのです。「おせんさんだ」
 しかし、様子が変です。タロは心配になって駆け寄りました。「病気だろうか」
 おせんさんはタロを見つけると、タロの頭をポンポンと叩き、にこにこと何やら呟くと、そのまま自分の部屋に入っていきました。戸をきちんと閉めもせず、三寸ほど開いたままです。
 「大した病気ではないようで一安心。でも無用心だ」

 タロはおせんさんの部屋の前で、一晩中見張りをする事に決めました。グッと四肢を踏ん張り、巻いた尻尾を上に立て、きりっと口を結び、勇ましくも凛々しい姿です。丁度、雲間から月が顔を出してきました。タロはムフッと鼻から息を一つ吐くと、月に向かって呟きました。「ももひき長屋の平和はボクが守る、柴犬の名にかけて」

 翌日、おせんさんは喉の渇きを覚え、井戸水を飲もうと戸を開けました。そこで、何か茶色いものを踏みそうになったのです。タロでした。おせんさんはタロを抱き上げました。
 「おせんさん、お礼はいらんです。長屋の犬として当然の事です」タロはおせんさんの口の周りをペロペロ舐めようとしました。
 しかし、おせんさんは「おやおや、こんな所で寝て。犬でも寝ぼけるということがあるんだねぇ」と言いました。
 「おせんさん、それは酷いや。僕は一晩中・・・」タロは身をくねらせ足をばたつかせて抗議しましたが、おせんさんには伝わりません。地面に下ろされると、頭をポンと一つ叩かれ「伝蔵の所にお帰り」と言われました。
 仕方なくタロは伝蔵の部屋の方にトコトコ駆けていきました。途中振り返って、ワンと一声吠えましたが、おせんさんの姿はとうにありませんでした。

 伝蔵さんに出して貰った朝ご飯のぶっ掛け飯をガツガツとタロはかっ込みました。縁の欠けた丼鉢がガタガタと音を立てます。今朝はいつもよりほんの少し、そのガタガタいう音が大きいようでした。

千鳥道行 #- | URL | 2014/09/07 19:08 * edit *

Re: U^ェ^U U^ェ^U

千鳥の旦那 コメント遅れて申し訳ありません。
タロちゃん(他の犬も)好きな旦那にはかないません。
アタシは特にここが好きです。

>  ..... 今朝はいつもよりほんの少し、そのガタガタいう音が大きいようでした。

もの言わぬ(言っても通じない)ワンちゃんの心理みたいなものが現れていてグッときちゃいました。

そういえばタロちゃんも随分日誌に登場してないような 。。。

鯉口のおせん #- | URL | 2014/09/30 20:43 * edit *

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