おせんの江戸日誌

江戸と平成の世を行きつ戻りつの書き散らし

熊造 享保元年九月 参道の女その三 


作次の死んだ父親は熊造という名の無口な男だった。
そのせいなのかどうなのか、熊造が作次の母親について語ることはなかった。
熊造は茶店で日銭を稼ぎながら男手一つで作次を育てあげたのである。
毛むくじゃらで、いかつい体つきの熊造は山賊もかくやと思えるような男だった。
一見の客が熊造の姿や顔を見てギョッとしたことが幾度となくあったのを作次は覚えている。
その作次はといえば、全く父親に似ていない男っぷりなのだから世の中おもしろい。


初めてチャレンジしたホームページ連載時代小説:作2009年
今はもう消失したホームページなので、これは記録として。
thread: 江戸千話 | janre: 小説・文学 |  trackback: -- | comment: 0 | edit

コメント

コメントの投稿

Secret