おせんの江戸日誌

江戸と平成の世を行きつ戻りつの書き散らし

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平野卜内 

 
ももひき長屋までたどり着ければ、平野卜内(ひらのぼくない)の住む家はすぐに分る。
なぜならその家の腰板障子には手首から先の絵と丸に卜の字が描かれているからである。
つまり、卜内は相談者の手相で吉凶禍福を見ぬき、時には助言などもする手相見が商売なのだ。

その卜内の家の前を行ったり来たりの男は同じ長屋の伝蔵で、ウロウロが止むとしばらくの間
突っ立っていたが、やがて意を決した風でガラリと戸を開け中に入って行った。

実は、続けざまに鬼女に遭遇した伝蔵、もう鬼女だけは厭だの一心での占い頼り .....
長いあご髭をしごいている卜内の前に六文の見料を置いて

  「オレが身の上、どうか見てくだされ」

  「どうれ、ふうむ。ホホゥ そこもとの寿命は百六まで、目出たいの。
   が、手の筋にキツイ女難の相が見えますゾ。
   しかし、それよりも こちらの筋がちと奇ッ怪な 。。。。フゥム 。。。
   異界のものとの縁ありと出ておる。
   ま、夜は出歩かず酒も謹んだほうがよかろう。できるかえ伝蔵殿。フォホフォホ 」

女難は鬼女だろうがそれに加えて更に『異界のもの』と縁有りと聞かされた伝蔵。
ああ、見てもらわぬ方が良かったかも、知らぬが仏と言うじゃねえか ・・・
と、心中ぼやきながらすぐ隣の自分ちに帰るその腰はすでにへっぴり腰になっている。
                      酒
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