おせんの江戸日誌

江戸と平成の世を行きつ戻りつの書き散らし

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ゲゲゲの朝拝 


ついこのあいだ(文化十一年:1814)出た『江戸神仏願懸重宝記』なる案内書が評判です。

それに惜しくも載る事が叶わなかった媛垣神社ですが、それでも御神体が夫婦岩になったせいか丑の刻参りが
ピタリと止まった上に参拝者が増えに増えました。
当然の事ながら神主は、もうウハウハと噛み殺した笑いがホッペタを突き破らんばかりの恵比寿笑い .....

きょうも日課の朝拝をしているうちに『賽銭箱をひとまわり大きくせねば』などと雑念が浮かんできて

   「この幸運もウチの御神体のおかげに違いない。
    ああ、なにとぞ直接に御神体を拝みたいものだ ....... 」

熱心に祈っていると中から扉が押し開かれ、嗅いだことのないような異臭がさっと漂って現れ出たる御神体。


けれど、その悪臭のもの凄さと見ための汚さ、みすぼらしさに

   「あなた様が媛垣神社の御神体にござりますか?」

と不審顔で問うたところ

   「イイヤ、違う。ワシは貧乏神でただの仮屋住まいの身じゃ。が、それもきょうで終いじゃ。
    賽銭箱に投げ込まれる銭の音が煩わしいゆえにのう」

と、言うや その姿は朝もやの中にかき消えてしまいました。

                神社  すずめ
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