おせんの江戸日誌

江戸と平成の世を行きつ戻りつの書き散らし

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ホの字の伝蔵 


どうもイケナイ ......

近ごろの伝蔵は夜が怖い。怖くてたまらない。
夕焼け空をカラスがカァと鳴きながら飛んでいくのを見るだけで悪寒が走る。
もうすぐ夜がくる 夜になればまた鬼女が出るに違いない ......
二度も続けざまに鬼女に遭遇してしまい二度あることは三度ある。イヤもっとあるかもしれない ..... と
人には言わねど怯(おび)えまくりの伝蔵なのである。

今朝、早起きした伝蔵が井戸端で顔を洗っていると、そこへ大工の虎三が桶を抱えて来

   「伝蔵。どうだ嫁はまだ貰わねえのか? ハッハッハ」
   「いやどうも。虎さんちの喧嘩をいつも聞いてるせいでそんな気にならねえ」
   「イヒヒ何を偉そうに。お前おせんさんにホの字だろう。この前見とれてたの知ってるゾ」

確かにこの間おせんさんが家に入って戸をぴしゃりと閉めるまで見送っていたのは事実だが、惚れた
というのとはまた違う気がする。と伝蔵は思う。
あの時はゾクゾクッときたと思ったらオレの足が地べたに凍りついたようになって動けなかったんだ。
昔のオレときたら女に惚れた時は体中が火のように熱くなったもんだ。が、おせんさんの場合は違う。
ゾゾーッと来て鳥肌がたつもんなあ .... 年を取ってから惚れるというのはこうなるものなのか?

実は
伝蔵が今回二度も鬼女に見誤ったのはおせんで、おせんはそれを知っているが伝蔵はいまだそれを知らない。
知らないが、伝蔵の本能がおせんが現れると『出たゾ!こいつ鬼女だ』と報せの半鐘を鳴らしているのである。
虎三に言われて惚れてるのかも!? とは勘違いもはなはだしい伝蔵、またヒドイ目にあうのかもしれない ......
                     とんぼシルエット
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     その壱 鬼女
     その弐 見たな

伝蔵 小
thread: 花の御江戸のこぼれ話 | janre: 小説・文学 |  trackback: -- | comment: 2 | edit

コメント

おぉ!!伝蔵さんが腰が抜けた姿で這っている。動いている。カワイイ~。

「怖いもの見たさ」で寄ってしまうのか。頑張れ伝蔵。

千鳥道行 #- | URL | 2012/11/11 18:14 * edit *

ええ、

伝蔵は腰が抜けてこその伝蔵。で 、その姿で這ってもらいました。
本人も『カワイイ』と千鳥の旦那に言ってもらえて本望でしょうが、まだまだ頑張ってもらいましょうネ。



おせん #- | URL | 2012/11/13 05:29 * edit *

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