おせんの江戸日誌

江戸と平成の世を行きつ戻りつの書き散らし

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夫婦喧嘩 


大工の虎三がももひき長屋に帰ったのが暮れ六つの鐘がボヲンボヲンと聞こえてまもなくの頃。
女房のお熊が晩めしに出したのが山盛りのサツマイモだけだったので

   「オイ、一山八文のイモが晩めしか。こんなのが食えるか!
    見てみろこのイモ てめえの顔にそっくりで不味いに決まってるぜ」

   「ハァ? どこがそっくりなのさ。それよりお前の顔のほうがオオゴトじゃないか。
    なんだい!すりこぎの立ち往生したようなその鼻は。
    それに顔色ときたら虫のケツ(尻)みたく悪光りしてるくせに」

   「なにお てめえ言葉が過ぎると 叩っ殺してやるぞ!」

たかが晩めし、されど晩めし。サツマイモで始まった夫婦喧嘩は売り言葉に買い言葉。
お熊も亭主の殺してやるの一言に頭に血がのぼり、鬼のような形相で

   「ヲヲ、殺さば殺せ。幽霊になってとり殺してやるゾ」

と、歯ぎしりしながら言ったその顔を見てハッと正気に戻った虎三

   「オイ、大根茹でるから その間に その面(ツラ)で 辛子かいてくんな」

    さつまいも 辛子かき
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